気づけば28年、卓球に関わってきました。
始めた当初はこんなに長く卓球を続けるとは、
夢にも思っていませんでした。
私は群馬県で生まれ現在で41歳になりますが、
5歳の時に旅行先の新潟でトラックに轢かれました。
幸い命に別条はありませんでしたが、
左足に障がいが残りました。
今現在も事故当時のことはほぼ覚えていませんが、
半年ほど手術を何回か繰り返しながら
両親の実家のある福井の病院に入院していたそうです。
小学生になり徐々に友人たちとの運動能力の差に気づきながら、
それでも自分自身走れるしジャンプだってできるし、
なんてことはない、そう思っていました。
小6で一度手術を受け、中学生になって部活を選択する際に、
主治医の先生に「サッカーや野球とか、走る競技は難しいかな」
と言われて初めて自分の足によって制約をうけるのか、と感じました。
当時Jリーグが始まったばかりでサッカーをする友人も多かったし、
野球は毎日のようにテレビ放送があり、
大勢の男の子のようにプロ野球選手に憧れがありました。
そのどちらも自分は選べず、多少なりとも落胆した記憶があります。
そこで多趣味な父親が当時やっていた
テニス・バドミントン・卓球の中から選ぶことになり、
最終的に卓球部に入部届を提出しに行きました。
もともと運動は大好きで、
特に球技は何をやっても不得意なものはなかったかと思います。
同級生や先輩後輩にも恵まれながら楽しく中高の部活を続け、
中学生では市の大会でダブルス優勝、高校でも県でダブルスベスト16に入り、
満足した部活動ができたと思います。
その後、足の障がいのことも考えて大学は国家資格の取れる
金沢大学医学部保健学科放射線技術科学専攻(当時)に入学しました。
大学では2年次になってやはり卓球がしたい!
と思い金沢大学医学部卓球部に入部しました。
医学部卓球部という部活は医学生がメインになるのですが、
自分たちのような保健学科生も活動しており、
他大学との交流戦なども多くあり、
今でも連絡を取り合うような友人が多くできたのもこの部活に入部したからでした。
交流戦や定期戦の多くを部員たちで企画・運営し、
また大学院1年次に全日本保健学生卓球大会という大会を起こし、
その大会が今でも続いていることは自分の人生での功績の一つかと自負しています。
社会人になり、診療放射線技師という仕事をするかたわら、
卓球は細々と続けていました。
その中で当時福井大学医学部に入部してきた
山田哲也選手と知り合ったことで、パラ卓球での大会参加を始めました。
初めて出た障がい者の大会での結果は予選リーグ敗退、
自分の年齢の倍ほどもあるような選手に負けてしまいました。
続けて出た2014年の長崎の障害者スポーツ大会でも1勝1敗となり、
障がい者でも強い人はやっぱりいるんだなーと感じました。
その後永下尚也選手と知り合い、
一緒に練習しながら教えてもらうようになり、
自分のプレーが以前より格段良くなっていると実感し
翌年の障がい者の全日本ではベスト8になり、
パラ卓球の日本代表候補選手として国際大会へ出場できるようになったのです。
2015年と2017年、国際大会に計4大会に出場しましたが、
結果として勝てたのは1試合だけでした。
ロンドンパラやリオパラのメダリストと試合をする機会もありましたが、
自分ではポイントを取ることもままなりませんでした。
国際大会への出場には1週間近くの休暇を取る必要がありましたし、
参加費や移動費で1大会につき40万円かかる大会もありました。
自分の実力や年齢では今から実力を上げることも、
プロとしてやっていくにも厳しいなと感じ、
2018年の福井での障害者スポーツ大会への参加を
一つの区切りとしようと考えました。
2018年全国障害者スポーツ大会、
福井しあわせ元気大会では開会式で炬火の点火者として大役を任せていただいたことや、
またしても1勝1敗となってしまいましたが金メダルを獲れたこと、
とてもいい思い出として残っています。
その後は2019年4月1日に設立されました
福井県障がい者卓球協会の理事長として、
大会運営や選手の発掘・強化に携わっています。
大会運営は大学時代に多くの大会を
企画・運営してきた経験が活きています。
選手発掘について、福井という限られた地で
選手を探すのはなかなか簡単なことではありません。
しかし最近では、福井県卓球界の中で卓球をしている
障がい者の情報を関係者の方からいただいたり、
メールで問い合わせをいただいたりしています。
より多くの選手に頑張ってもらいたいですし、
自分がこれだけ関わってきた卓球というものに、
いろんな人に触れてもらいたい、
楽しんでもらいたいというのが今の私の願いです。
長文になり申し訳ありません。
私の卓球歴に関して記述することで、
どなたかの今後の参考になっていただければと思い
つらつらと書き進めて参りました。
最後になりますが、今回リレーをつないでいただきました
サウンドテーブルテニスの戸田美雪さん、
福井県障がい者卓球協会会長の寺谷義博さん、
その他協会の関係者の方々、日ごろからお世話になりありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
私の卓球人生の中で知り合った多くの方々、
皆様のおかげで今の私があります。
深く深く感謝するとともに、
これからも末永くお付き合いいただきますよう、
お願いいたします。