35年目の坂道を越えて ―― 仲間と歩む「楽障」の絆
「自分たちだけではできないことが、形になる」 その喜びを改めて噛み締めた、一泊二日の富山合宿でした。
1991年7月、わずか9名のブラインドランナーで産声を上げた福井楽障クラブも、今年で創立35周年。今では13名のブラインドを含む計36名の仲間が集う大きな家族のようなクラブになりました。この節目を記念して行われた今回の合宿は、忘れられない二日間となりました。
初日は富山県総合運動公園でタイム申告レースやゲームを楽しみ、二日目はグリーンパーク吉峰でのトレーニングに励みました。待っていたのは、高低差160mを1.5kmで駆け上がるという過酷な激坂。息が切れるような辛いコースでしたが、普段はできないこの挑戦を、全員が諦めることなく最後まで走り抜くことができました。
視覚障害者にとって、こうした遠征は伴走だけでなく、移動や食事、日常生活のすべてにおいてサポートを必要とします。しかし、私たちのクラブのサポーターは、それを「特別なこと」と構えるのではなく、ごく自然に、さりげなく手を差し伸べてくれます。その優しさに触れるとき、私は何よりも嬉しい気持ちになります。
トレーニングを終え、温泉に浸かって疲れを癒やしながら感じたのは、この35年という月日の重みです。一人では登りきれない坂道も、この素晴らしい仲間がいれば挑むことができる。これこそが、福井楽障クラブが築き上げてきた何物にも代えがたい財産です。
本当に楽しい二日間でした。この絆を糧に、クラブが今後さらに発展していくこと、そしていつか、西島さんに続くようなパラリンピアンが私たちの仲間から生まれることを心から願っています。