福井県障がい者スポーツ指導者協議会
粒﨑 幸夫
私が障がい者スポーツに出会ったのは今から約20年以上前、33~34歳の頃でした。当時マラソンに夢中だった私は、仕事を終えると必ず福井市にある運動公園へ向かい、1周約2kmあるランニングコースを5周ほど走るのが日課でした。
ある日の夜、白いロープを互いに握りしめながら走る男女のランナーに出会い、それが視覚障がい者ランナー(ブラインドランナー)をサポートする「伴走」という行為であることを初めて知りました。
それがきっかけで初めて伴走を体験させていただいた私は、その難しさと意義に完全に魅せられてしまい、その後一人前の伴走者となるための練習を何度も重ね、そしてついにマラソン大会等へも伴走者として出場することとなりました。
これまでにいくつもの大会へ出場しましたが、岡山の全国障がい者スポーツ大会では自分の失敗で失格となり悔し涙を流したことや、宮崎の国際盲人マラソン大会では優勝し、ゴール後に抱き合って喜んでいるところをTV局にインタビューされたことなど、たくさんの思い出が残っています。
伴走がきっかけで障がい者スポーツに触れ、「スポーツ」というものが、いかに障害のある方々にとって生きるための勇気だったり、楽しみに繋がっているということを実感することができました。そして同時に障害のある方にとっては、私のようなサポートする者がいなければ、こんな単純な喜びや楽しみすら得ることができないという現実も知ることにもなりました。
このような経験を踏まえ、もっとたくさんの障がいのある方々に何かできないかという思いが芽生え、私は「障がい者スポーツ指導員」という資格を取得しました。現在はこの資格を生かすべく、様々な障がい(身体・知的・精神・内部)のある方々にも広くスポーツを楽しんでもらおうという普及活動等に取り組んでいます。
2018年福井県では全国障がい者スポーツ大会が開かれました。そして2021年には東京パラリンピックが開かれました。このように障がい者スポーツへの機運が高まっているバックグランドを追い風として、障害のある方々が一人でも多くスポーツに触れ、そして楽しんでいただけるようこれからも普及活動等に努めてまいります。
皆さんも「障がい者スポーツ指導員」に登録し、一緒にスポーツを楽しみませんか。