福井県立嶺南西特別支援学校
フットソフトボール 西川 圭祐
私は、2018年から福井県フットソフトボールチーム「福井スティーラーズ」の指導者として障がい者スポーツに携わってきた。私がフットソフトボールの存在を知ってから初めて迎えた大きな大会が、2018年にあった「福井しあわせ元気大会」だった。この大会で感じた選手達の熱量とひたむきにプレーする姿はとても感動的で、チームの指導に少しでも携わることができ、嬉しく思ったことをよく覚えている。また、大会後に選手の一人が、地域の方から「新聞に載っていたね。見たよー、すごいね」と声をかけていただき、その選手が「びっくりしたけど嬉しかったです。次はもっと勝ちたいですね」と照れくさそうに話している姿もとても印象的だった。
福井スティーラーズには、嶺南地域の2つの特別支援学校の高等部の生徒と同校の卒業生が選手として所属している。学校を卒業し、仕事を始めた選手にとっては、練習や試合で体を動かすことはもちろん、友達と会うことも楽しみの一つになっている。練習後には、仕事のことや近況を楽しそうに話し合う姿が恒例になってきた。また、後輩が増えたことにより、選手同士でプレーやチームのルールについて教え合う姿も見られるようになってきた。学生の選手にとっては、普段関わる機会のない他校の学生や社会人と交流できるよい機会になっており、選手同士で交友が広がることで互いに刺激を与え合っている。
所属している選手の中には、コミュニケーションをとることや集団で活動することに対し、苦手意識をもっている選手も少なくない。しかし、上記のような様子やみんなでプレーすることを楽しむ姿を見てきて、フットソフトボールというスポーツやそこで得た“つながり”が、選手達にとってよりよく生きていくための一助になっていると感じている。
チームとしては全国大会で勝つことを目指し、選手達も個々に目標をもち、向上心をもって取り組んでいる。スポーツを始めるきっかけは選手によって様々であるが、また練習に行きたい、このチームで勝ちたいと思い、安心して活動できる場になるよう、これからも選手に寄り添った指導を続けていきたい。