福井県立嶺南東特別支援学校
フットソフトボール 水上 理栄
福井県フットソフトボールチームの「福井スティーラーズ」では、嶺南東特別支援学校と嶺南西特別支援学校の高等部の生徒や両校の卒業生が活躍しています。所属メンバー数は、20数名に上ります。ソフトボールなどの関連するスポーツ経験者も中にはいますが、多くは、福井スティーラーズがきっかけで競技を始めたメンバーです。
2021年4月に嶺南東特別支援学校に赴任しました。同僚から、福井スティーラーズの活動について話を聞いたことがきっかけで、練習に参加させていただくことになりました。
私が感じた、福井スティーラーズが選手に求める姿勢とは、技能が高いかどうか、経験があるかどうかではなく、「やる気があること」です。また、「福井県の選手として自覚をもって活動する」姿勢です。
毎回の練習の中で、島田監督を中心に複数の指導者で、選手の心に響く話や、チームの一体感を高める取組をしています。チームでは全国大会で勝つことを目標に、練習に取り組んでいます。随時、試合などで得た選手達の課題解決に向け、新たなメニューを取り入れ、練習しています。基礎練習に加えて、お互いの良いところを選手同士で見つけ合ったり、円陣での掛け声の練習をしたりすることもあります。練習に参加することで、生徒の普段学校で過ごす姿とはまた違った面を観ることができることも大きな魅力です。
少し大袈裟かもしれませんが、これまでの人生で、結果はどうであれ、何事も一生懸命に取り組むことをモットーに生きてきた私は、練習に参加する中で、新しい視点に気付くことができました。それは、福井スティーラーズで大切にされている「試合に勝ちたい」という強い気持ちをもち練習に取り組むことによって、見えてくる世界があるということです。「試合に勝つ」と、結果を出すことを目指して練習を大切にする姿勢がプラスに働いているのは、指導者と選手、選手と選手が互いに深い信頼感で繋がり、なおかつ絆を高め続けているからこそだと思います。そのため、「勝たなければ」と、違う方向へプレッシャーに感じる選手はいません。練習に参加すると、なぜプラスの方向にのみ働くことが実現できるのかを肌で感じることができます。
さて、パラスポーツとの出会いは高校時代に遡ります。当時JRC部に所属し、1、2年生のときに障がい者スポーツ大会にボランティアとして参加しました。地元の代表選手として、走高跳の種目に出場する選手の伴走者を務めました。偶然、2年続けて同じ40代位の目の不自由な選手を担当しました。選手が全力で走り、練習してきたことを出し切る姿に感動したことをよく覚えています。パラリンピックなどテレビで観る世界に繋がることが、身近な場で行われているということを知りました。
仲間と一緒にスポーツをする楽しさ、喜び、生きがいを感じながら活動できる貴重な場が福井県に沢山あることを嬉しく思います。福井スティーラーズの活動や高校時代の経験から、障害種や障害の有無にかかわらず、また、団体、個人種目にかかわらず、スポーツに参加し、生きがいを感じられる素晴らしい世界があることを実感しました。これからも、感謝の気持ちをもって参加していきたいです。
今後も、福井県に活気溢れるスポーツの輪が広がっていくことを願っています。